『庭で楽しむ野鳥の本』(大橋弘一著/山と渓谷社/1800円+税)

 山梨県でペンション八ヶ岳自然ヒュッテ(http://homepage3.nifty.com/ysh/)を経営されている竹内時男さんから勧められた本で、竹内さんの言われるには小鳥類の写真が原寸で出ているので、観察会で使うのに都合がよいということです。確かに、改めて原寸で見てみることは、それぞれの種類についてイメージをつかむのにおおいに役に立ちますし、羽の細部や足、嘴などのようすを子細に見ていくのも楽しいものです。原寸の写真は背景から切り抜いて使われており、そのこと自体はよいとして、もう少し丁寧に切り抜けば不自然に見えなかったのではと思うものがいくつかありました。全体に少し大きく感じるので、翼長で図鑑のデータと比較してみるとやはり若干大きめのものが多く、特にツバメは明らかに大きすぎでした。身近で見られる小鳥類を中心とした約50種が取り上げられているほか、餌台などによって庭に鳥を呼ぶ工夫が紹介されています。実のなる木でも園芸種を避けるべきであるとか、餌台を清潔にして感染症に注意する必要があるなど、近年意識されるようになった注意点にもしっかりふれられています。(2008/5)