『日本語オノマトペ辞典』(小野正弘編/小学館/6000円+税)

 オノマトペとは、聞き慣れない言葉ですが、擬音語擬態語の総称で、意外なことにフランス語なのだそうです。本書は、古典から現代語までその範疇に入る日本語を広く網羅し、合計4500語について解説や用例を加えた700ページにもなる情報量の大きな辞典です。巻末の付録にある「虫の鳴き声オノマトペ」についてちょっとお手伝いをした関係で、手にするチャンスがあったのですが、あちこち拾い読みをしてみると、なかなか興味深い記述を見つけることができました。特に、70項目ほど挿入されている「コラム オノマトペのもと」が面白く、基本的な語彙が、濁音になったり、語尾に「り」や「ん」などがついたりして、意味合いが微妙に変化していくようすが一つ一つ取り上げられています。たとえば「くらくら」は自分が揺れる様だが、「ぐらぐら」と濁音になると周りも含めて揺れる様になるとか、「ころころ」は小さな軽い物が転がる様で、「ごろごろ」になると大きくて重い物が転がる様になり、それが発展して無為に過ごす意味に発展していくなど、言葉の展開の規則性について気 以下文字化け判読できず。(2008/2)