『しずおか自然図鑑』(静岡県立自然史博物館設立推進協議会編/静岡新聞社/1800円+税)
   2001年に刊行された図鑑ですが、最近存在を知りました。執筆されているのは、静岡県に自然史博物館を作ろうという運動を続けている県内のさまざまな団体に所属している自然史研究者です。1冊の小さな図鑑に一つの県の自然史情報を盛り込むのは大変ですが、地質、植生に始まって代表的な動物分類群まで網羅され、静岡県の自然の特性が理解できるようになっています。神奈川県の隣県という興味で読み始めたのですが、南アルプスや富士山があり、しかも西部には石灰岩地帯のある静岡県は、神奈川よりも段違いに多様性に富んだ自然を持つことを改めて知ることができました。あえて言えば、地名や特殊な環境の分布などについて、もう少し地図が出ているとありがたいと思いました。自然史博物館の早期実現を願ってやみません。(2008/2)