『バードハウス』(井筒明夫他著/INAX出版/1500円+税)

    銀座のINAXギャラリーは、ちょっと面白いテーマの展示会を催すことで知られていますが、現在INAX東京で開催されている巣箱の展覧会の解説書として刊行されたのが本書です。バードハウスという表現は、北米の原住民がムラサキツバメの巣作りの場として穴を開けたヒョウタンをつるしたことに由来したそうで、欧米ではさまざまな材料で工夫をこらしたデザインの巣箱の架設が楽しまれているそうです。原色の派手な巣箱が自然の森になじむのかどうかという点については、個人的には異論もありますが、材料や形を工夫し、カラ類だけではなく、小動物や昆虫の利用も視野に入れて巣箱を架けることは、環境教育的な意義があると思いますし、そうした活動のヒントに本書は役立つでしょう。執筆者は、自宅の庭で巣箱を活用しているという数人のほか、北海道で環境教育NPOで活動している方などで、帯広畜産大学の柳川教授が動物にとっての巣箱の意義についてまとめられています。(2008/1)