『おじさんの畑は、今日もにぎやか』(さげさかのりこ著/PHP研究所/1600円+税)
 こども雑誌の仕事をご一緒したことのあるイラストレーターのさげさかさんから送って頂いた本です。田舎に引っ越されてから送って頂いたので、さっそく田舎暮らしのようすをまとめられたのかと思ったところ、まだ街中に住まわれていた頃に、近所の「おじさん」の畑で見聞きしたことが本になったものでした。その畑では、四季を通じてさまざまな野菜が作られており、著者は野良仕事を少し手伝ったりしながら、畑のようすを撮影していきます。そして見たこと感じたことを書きとめたブログが1冊の本になったといいます。日記風の項目は、6月に始まって5月に終わる季節にそって配列され、畑仕事の四季がたどれるようになっています。新住民と旧住民の交流といった趣でもあり、日常的な畑仕事は当たり前のことすぎて農家の方がそれを書き残そうとは思われないでしょうから、それを書いたことが貴重な記録になっているとも感じます。「おじさん」の頭の中には、1ヶ月先、半年先の畑の設計図が常に描かれていて、それに向かって順序よく段取りがされていくことに著者は一番感動しています。(2010/2)