『おどろきのクモの世界』(新海栄一・新海明著/誠文堂新光社/2200円+税)
クモ学入門といった内容の児童書で、たくさんの写真を使ってクモの生物としての特徴と生態が紹介されています。著者は、言わずとしれたクモ研究の第一人者のご兄弟ですが、テキストの中に、「私たち」という言葉がたびたび登場し、お二人が手を携えて歩んで来られたことを感じたりしました。内容は、クモの体制に始まり、クモの網ギャラリー、網をはらないクモ、クモの一生、クモのいろいろ、クモと環境、観察と飼育という章立てで、クモについて知っておくべきことはまんべんなく取り上げられ、大人にとっても自分の知識を確認する上で役に立ちます。ムツトゲイセキグモの投げ縄猟、親の体を食べるカバキコマチグモ、トタテグモの戸びら作りなどの連続写真は特に興味深いものです。(2009/11)